春先に『ゲーム発展国++』と『ゆけむり温泉郷』に人生の限りある時間の一部を差し出して以来、これはハマりすぎるとマズいことになるやつだ…と思って手を出すのを控えていたカイロソフト作品。
カイロソフトのラインナップがSwitchだけの展開だったら、Switch自体に触る時間が限られているのでそのままフェードアウトできたはずなのに…スマホはほとんど毎日触るせいで、出会ってしまった…。見覚えのあるドット絵、愛らしいサムネイル…。
むしろアプリゲームだったものがSwitchに進出した、という順番らしかった。
ストアで「無料」って書いてあったので気付いた時にはもうダウンロードしていました…なんてこった…。
大盛グルメ食堂SP
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大盛グルメ食堂
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起動画面が既に愛しい
アプリの起動を待つ間の画面がこちら。
カマボコとネギですよ…。もうこれだけでシンプルなおうどんかおそばの香りがしてきそう…。
かまぼこのプリっとした食感、ネギの緑のところのしゃきっとした風味と内側のとろみ…。個人的な嗜好にヒットしただけなんですが、かけうどん好きなのでたまらんですな…。
そしてタイトル画面も、「体験したことがないのに感じる懐かしさ」って通じますか…?三丁目の夕日的な…いやその時代私生まれてないしっていう時代なんだけど懐かしいみたいな。
この夕焼け、昔のファミリーレストランみたいな外装、赤いポスト、商店街みたいな街頭、洒落っ気のないビル…明るいセンチメンタル…。
いい。想像上の「食堂」…いや「グルメ食堂」っていう語感から溢れる、ちょっとレトロでちょっとハイカラ。「大盛」っていう響きへの憧れ。…いいッ!!!
SPが何故ついてるかは分かってないんですが、リマスターされたタイトルなのかな…?
悩ましい正式版の優遇措置…
起動して早々、正式版にアップグレードした場合の利点を教えてもらえます。うむむ…悩ましい。
広告非表示に加えて、ゲーム内での経営資金が50万円もらえる。悩ましい…。とりあえず一周やってみて勝手がわかったら50万円もらって、2周目はより良い経営を目指そうかな…。などと思いつつプレイを始めました。
ちなみに(ゲーム内の時間で)2年目の4月を迎えると、以下のようなアナウンスが出ます。
無料版はあと4年分遊べます
カイロソフト「大盛グルメ食堂SP」iPhone版より
ゲームの中で6年目の4月を迎えるところまで遊べる、ということですね。尚且つ、次の年に進むのボタンに「広告が表示されます」と書いてあるので、2年目からは広告有りでのプレイになるということでしょうか。
ここまでやって飽きたり「それほど面白くないな」と感じた場合は離脱や広告を気にせず無料で遊ぶ方向もアリだと思いますが、私は1年目を終える頃にはすっかり無料部分を楽しませて頂いていたので、結局2年目からは正式版にグレードアップすることに。
…まあ、最初からこうなるような予感はしていました。私の600円が新作を作ってもらう資金の一部になれるならファンとしては嬉しいことです。
だから広告がどんな感じかは分かりませんが、どっかにバナー式で挿入されるんでしょうかね。
祝・開店!
というわけで経営スタート!やっぱりお店を始めたばかりはワンオペ…。
レジ係の従業員が居ないのでレジに行列ができてしまって焦ります。
お客さんが入ってくるとオーダーを取って、調理をして、レジを打つ。この繰り返しです。
それぞれの工程に特別な操作は必要なく、設定して采配して、あとはただ様子を窺うだけの置きゲー。アクションゲームとかと比べるとやることないですが、このやることのなさが時にはいい…。
画面凝視しててもいいですが、見てなくても進んでるし、見ると可愛いし、何かの合間に進めるには最適です。
ちなみにこれも『ゆけむり温泉郷』と似ていて、画面ずっと見てると人がチョロチョロチョロチョロ動くので、だんだん変な引き込まれ方をしていきます…視野が狭くなっていって脳みそ止まる感じがするというか…催眠術みたいな…。動くのはお客さんだけで従業員はそれほど動かなかった『ゆけむり温泉郷』と比べてこっちは客も従業員もカナリ動くので、見つめているとトランス状態になってだんだん気持ち良くなってくる…。
たまに見るぐらいがいいと思います…。
愉快な不可解連発の優しい世界
カイロソフトのゲームと言えば…と語れるほどプレイしてないのですが、これで3作目なんですけど、これまでやった感触は「とにかく自由」です。これは「シームレスなプレイが可能!」のほうじゃなくて、「開発チームの発想がすごく自由!」っていうほうです。
あんまり現実世界に縛られてない感じがそこかしこから…。
不可解なレシピ 〜オムレツ編〜
ライス+醤油+朝採りたまご(おいしそう…)で出来るのは絶対に卵かけご飯だと思ったら、なんかオムレツの絵が出てきたし…。
どこから来た助成金
助成金って発見するもの!?とか…。
食材調達は“通”向け
まさか私の店が近所の雑木林と険しい裏山で食材調達していたなんてね!!!!!業者から来た豚牛鶏のお肉じゃなくて猟師が捕ってきた獣肉使ったジビエ料理みたいな“ツウ”な感じあるな…。
近所の農家、最初の選択肢じゃないんだ(笑)
村の食堂店員なのに夢がある
従業員の皆さんは〈控室〉に居る間お給料が発生しません。システム上分かりやすく(もしくは文字数か何かの都合で?)〈控室〉に居るという扱いにしているだけで、多分ただ単にシフトのない日のアルバイトにお給料が発生しない(=家で休んでるとか)っていうのと同じ仕組みだとは思うんですが。
明確に「悠々自適な生活を送っており」って言われるのいいですね。小さな村の食堂に勤めてて、だけどバックボーンとしては悠々自適に暮らせる状況が整ってるって、生活環境としては夢があるというか、生きてくための労働というより好きなこと興味のあることができる職場をフラッと受けられる感じが、いいな〜って思いました。
労働が生きるための手段じゃなくなって、単に暮らしに“プラスアルファ”をもたらすためだけの活動だったらいいのにな…というのはいつも思います。
不可解なレシピ 〜焼き鳥編〜
私の知ってる焼き鳥の作り方と違う!!!!!!!!
まさかハンバーグと極上エビとご飯で焼き鳥ができていたなんて無知だった。私はこの30年ちょっと、何も知らずに生きていたんだな…。
知り合いの店!!!
知り合いの店〜ッ!!!行くのに350万円かかる知り合いの店〜ッ!!!なんのお店なの!!!!!!知り合いは何やってる人なの〜!!!
中盤以降にアンロックされた貧乏席
経営も8年目を迎えた夏、突如テーブルセットとして加わってきた〈みかん箱〉…。
座席に関しては〈会社員〉からの人気がUPする座席とか〈若者〉からの人気がUPする座席とか、種類によって客層に対する訴求力が違うんですが、だからこの〈みかん箱〉も案外すごい能力が備わっていたりして!?…と思ってステータスを確認するも、〈外国人〉からの人気が若干UPするのみ…!(笑)わかりますけどね、あの、ビールケースとかドラム缶ひっくり返して座るお店で感じる趣きの良さみたいな…。わかります。
そんなわけで大してお店のパラメーターは伸びないんですが、つい、みかん箱置いてしまいましたよ。
座席に関しては有識者からの意見も貰えます。
4人席はレストランにとっても大きな収益を上げるための格好の場所となりますが…時と場合によってはそれも意味をなさない場合があるようです。
テーブル女子学院名誉教授|大きなテーブル|まんぷく新聞(カイロソフト「大盛グルメ食堂SP」作中より)
テーブルに詳しいテーブル女子学院名誉教授によると「ともだちが居ない人はそもそも大きいテーブルを利用しない。友達が多い人もお店に満足してなければ…それも…」と最後は濁すように語ってくれました。お客さんの動向を見て効率的に設置していきましょう。
参考になりますね。
失敗してもやり直せる
赤字になったらどうなるのかな、融資システムでもあるのかな?と気になったので、どんどんお金を使ってみました。
レストラン協会からの見舞金!(笑)
甘いっちゃ甘いのかもしれないし「シミュレートになってるのか」っていう文脈では違う答えになっちゃうかもしれないんですけど、でも、ゲームなんだからこれでいいですよね。良質!良質!って思って遊びました。
この世界観の中で融資審査とか受けたくないし。
社チョ…カイロくんのインタビューが素晴らしい
この優しくて愉快な世界観ってどう作られてるのかなって思ったら、社長さん…の代わりにカイロくんが受けているインタビューがありました。
開発するときに強く意識していることは、ゲームなので「わかりやすくデフォルメすること」ですね。シミュレーションゲームを作ってはいるけれど、何でもかんでも細かくシミュレートし過ぎてもいけないと思っています。 (中略) 実際にある題材のゲームを作ると、よく「ブラックなネタを入れるのはどう?」という人も多いのですが、ウチはあまりそういうことはやりません。(中略) 現実の生活で嫌な思いをしたり苦しいことがあったりするでしょうから、ゲームでは純粋に楽しんでもらいたいんです。
『A列車で行こう』『信長の野望』に夢中になった中学生が、パソコン誌に投稿し続けたシミュレーションゲームのプログラム。それが今、Nintendo Switchで動き出した【カイロソフト社長インタビュー】|電ファミニコゲーマー|2018年12月18日 11:30|「ゲームでは夢を見せたいから、現実を完璧にシミュレートしないように」より
なるほど…なるほど…。それでこれが出来上がってるっていうの、つくづく、しみじみ、納得です。臼井社ちょ…、…カイロくん…ッ!
あと、私は『A列車で行こう』シリーズが大好きで(…と言っても3DS版から入って、PS4でプレイ2作目という新参なんですけど、)『A列車で行こう』に出会った時、そう!こういうのがやりたかった!って感激したものです…。だから、自分も夢中になって遊んだ『A列車で行こう』を、やはり夢中で遊んだ人が作ったゲーム会社からリリースされたゲームに夢中になっている、っていうのが、これは本当に身勝手で一方的な感情なんですが、納得、そう、何かが成り立っていく様子を見つめているこの面白さって、『A列車』で遊んだ時と凄く似ている!って、納得したりして、インタビューも楽しく読みました。
村の小さな食堂は、ヒバリーヒルズを目指す
この類いのゲームはゴールが様々で、プレイヤーによって、ある一定期間に売上を最大化するとか、早く全てのパーツをアンロックするとか、目標設定が違うと思います。私も1周目は流されるまま遊んで、二周目以降で目標設定をしなおして遊ぶという遊び方が好きです。
今回は1周目なので案内された雰囲気のまま進めてみることに。どうやら“より大きな街で成功を収める”というのが一つの目標のようです。
新しい街に店を出す方法は、移転か新規出店。3号店まで維持することができますが、私は既に2号店3号店を田舎と都会の間のエリアに出してしまいました。店舗数は地域数と同数ではありません。
最も栄えた街に出店するとしたら、1号店の移転が現実的です。
険しい山に囲まれたのどかな故郷、ほがらか村。私の小さな店を育ててくれた、ほがらか村。私の食堂が移転してしまったら、村には飲食店があるんだろうか。村の人たちは都会に魅せられた私に失望するだろうか…。
でも、行かなきゃいけない。
憧れの街、ヒバリーヒルズ!!!
(新しい地域に店舗を出す場合は〈小規模〉からのスタートになるため、小規模の表示は街の規模を示すものではありません。出すお店の情報です。)
ヒバリーヒルズへの移転に必要な250万円の2倍以上、約650万円のキャッシュが用意出来たので、遂に…行くだ。ヒバリーヒルズ…。
移転したヒバリーヒルズ本店、はしゃいで凄い色になりました。石油王みたいなお客さんも来てくれるようになって名店の仲間入りです。ほがらか村のみんな!!!見てるか!!!故郷に錦を飾るぞー!!!
…気持ち的にはもう1店舗持って、ほがらか村にお店を残したいですね。2周目やる時はこうならないように、3号店をヒバリーヒルズに出すか、2号店をヒバリーヒルズに移すかしようと思いました。
余談ですが、テーブル女子学院名誉教授の言った通り、やはり4人席の大きなテーブルには友達の居る人が座っていますね…。アカデミックな意見は役立ちます。
丸15年の経営で一旦クリア
ほぼ際限なく遊ぶことのできるゲームだと思いますが、16年目の4月になったところ(丸15年を終えたところ)で一区切りとなります。この時点でのスコアを記録して、以後はプレイできますが加点はされません。スコアを気にする場合は2周目以降のクリアポイントで新記録を目指す形になります。
愛着もありますが、一旦ここで切り上げて、2周目はどれくらい経営がスムーズに行くかを試したいと思います。
それにしても、秘書の名前、“上糸レス子”さん(笑)
大盛グルメ食堂SP
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Cafeteria Nipponica
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