近況:本業やや忙しく、ゲームが1日0時間気味。

PSP:巻き舌!恫喝!威圧!暴力!暴力!暴力!《クロヒョウ 龍が如く新章》

PS Vitaの本体|Photo by Aleks Dorohovich

クロヒョウ 龍が如く新章「暴力の果てに、誇りはあるのか?」
龍が如くシリーズの新章です。

暴力の果てに誇りは、一定の倫理の上で論じれば、そもそも暴力っていう時点で誇りがどこにあるんだ?我慢しろ!みたいな話になるわけですが、こういうゲームをする時は、あくまでも“暴力”が一つの価値観として成立しているという大前提をまず自分の中に作ってから遊ぶので、そうするとバーチャルな暴力に酔いしれることができます。ゲームの醍醐味ですね。

現実的には「暴力?だめでしょ、手が出た時点で何も誇れなくなるし、勉強して別の形で勝ったほうがいいよ」ぐらいにしか思いませんが。

っていう平静と、でも私は大事な人が暴力を受けたら暴力で報復することを想像してしまうだろうなという直情と、両方あります。それから、鬱屈に対する破壊衝動とか破壊衝動による孤独とかも、一人一人のそれは決して共有できないけれど、ある程度は分かるつもり。
でも、だからってやっぱ、「暴力はゲームでね!」って思いますけどね(笑)

さてさて、せっかく入院したし、入院中に病床でやらなきゃいけない仕事も片付いてヒマなので、誰がどう見ても休暇をとってゴロゴロ寝ていたほうがいい医学お墨付きの病人ですから!今ぐらいは社会の歯車として過酷な労働することから離れてゲームでもしようかな〜と、病院のベッドで暴力三昧です。ずっとやってました。

PSPソフトですが、PS Vitaでダウンロード版を購入してVitaでプレイしました。思いついたら即できるって本当に便利ですね。そして特定のゲームに熱中している間は(私のPSPにはいつもモンハンが挿さりっぱなしなので…)UMDをスロットに差し替える動作も億劫でして…、ダウンロードってありがたいです。

大好きな龍が如くシリーズから出た最新作『クロヒョウ 龍が如く新章』は、先述のキャッチコピー通りで、納得いきますね。コピーに期待したゲームがちゃんとそこにありました。

チンピラ!チンピラ!超チンピラ!最ッ高!この悔しさ、この理不尽、この痛々しさ、この寂しさ!こういうゲームだと思って待ってたし、こういうゲームが来たから本当によかった!

ヤクザ、極道っていう格式(?)が好きな人は『龍が如く』だけ合うんでしょうけど、アウトロー!暴力!って感じが好きな人にはむしろこっちのほうが向いてるような?
私はどっちも好きなんですけど、いいですね、この、ヤクザとチンピラを混同してない感じ。

たとえば、フィクション作品でアウトローに興味ないんだなって感じの人が作ったアウトローな人って全然リアルじゃないじゃないですか。もちろんカテゴライズした中にも個人差や自由はあるけど、ステレオタイプじゃなくて“王道”や“多数派”の様式ってあるのに、それを無視してフワっとしたイメージで描かれる感じ。特攻服に「いやこれは80〜90年代の暴走族じゃないだろ」っていう文字が書いてあるとか、喧嘩上等以外何も刺繍してないとか、ヤンキーっていう設定でホストみたいなの出てくるとか、ドラマとかでもありますね、「やばい!暴走族だ!」って言って集まってくるバイクが、「いやこれは北海道とかにツーリング行く時のやつじゃん?」みたいな。いや、ロケットカウルなんで上段じゃなくてカフェレーサーみたいになってんの、エースカフェかよ、おしゃれじゃん!みたいな。
空気感出そうっていう取材努力が全然感じられないやつ、ありますよね。
ヤクザとヤンキー同じだと思ってる?走り屋と暴走族のニュアンスの違い考えたことある?チーマーってゾクの英語表記だっけ?ヤクザの階層って検討した?上層部と下層部が同じ着こなしする?みたいなのとかいっぱいある。

もちろんすべての分野を取材し尽くしてものを作るなんて予算的に難しい企画だっていっぱいあるし、そういうのがおしなべてダメとも思わない。むしろ小道具や舞台設定はあくまでも増幅装置で、人間模様やストーリーを楽しめばいいって思うし、そういうのがいっぱいあるからって、べつに問題だとは思いません。フィクション上で求められる様式の満点と、現実の存在に乖離があったり(フィクション上満点でも現実的な存在の再現度が100%というわけではない、みたいなこと)とかは当然あるし。

ただ、描写の追求が70〜80%でも全然通用するのに、そのあたりを120%の演出でくるのが、龍が如くシリーズだし、名越稔洋プロデューサーの企画だな、と思います。もう、心の底から信頼できる。
10000000000億人のゲームプロデューサーさんに並んで頂いて「この中から『龍が如く』のプロデューサーを当ててください」って言ったら多分地球上の全員が正解するんじゃないかって感じの超いけてるプロデューサーさんなんですが、(元々そういうご趣味だったわけではなく『龍が如く』を機にだんだんそうなっていったのだとかどこかで読んだ気がするけど、なんだったかな…?)調べて、知って、分かって、その上で作ってる感じが心から素晴らしいと思って、全幅の信頼をした上で、いつも愉しませて頂いてます。

音声もいいですね!巻き舌!恫喝!威圧!暴力!暴力!暴力!暴力!暴力!暴力!
ゲーム性は安定の『龍が如く』シリーズですから、戦闘はもちろん、ミニゲーム的な要素もいろいろ満足です。

憂さ晴らしにどうですか。コラァ〜!